日本触媒

日本核酸医薬学会 第11回年会にて、株式会社ワイエムシィと共同でポスター発表を行いました。【シングルガイドRNA医薬品の精製に向けた逆相クロマトグラフィー分離法の開発】 

日本核酸医薬学会第11回年会(7月7日~9日、出島メッセ長崎)において、株式会社ワイエムシィ(YMC)が当社との共同研究に関するポスター発表を行いました。
株式会社日本触媒は共同発表者として参加し、ポスター制作および共同質疑応答セッションへの協力を行いました。同年会の要旨集に掲載された内容をご紹介いたします。

演 題シングルガイドRNA医薬品の精製に向けた逆相クロマトグラフィー分離法の開発
演 題(英)Development of Chromatographic Separation Methods for the Purification of Single-Guide RNA Therapeutics 
発 表 者株式会社ワイエムシィ 研究開発本部 
株式会社日本触媒 健康・医療事業推進本部 健康・医療研究開発部 

遺伝子編集技術の医療応用の進展に伴い、高純度シングルガイドRNA(sgRNA)の需要が高まっている。約100塩基長からなる長鎖オリゴ核酸の分離法としては、アルキルアミンとヘキサフルオロイソプロパノール(HFIP)を用いたイオン対逆相液体クロマトグラフィー(IP-RP-LC)が広く用いられており、目的物質関連不純物との分離が可能である。しかしながら、HFIPは高コストであるうえ環境への負荷も大きいため、本手法を商用生産規模での精製プロセスへ適用することは困難である。よってHFIPを使用しない高純度精製法の開発が望まれている。

本研究では、HFIPやその他の高価な添加剤を用いることなくホスホロチオエート(PS)修飾されたsgRNA医薬品を高純度に精製可能なIP-RP-LC法の開発を目指した。先行研究において、アルキルアミンを用いた移動相にリン酸ナトリウム緩衝液を加えることで、長鎖オリゴ核酸の分離が改善することが示されている。ここでは、以下の2つの要因が、この分離性能の改善に関与していると仮説を立てた。1)リン酸イオン;カラムを含むLCシステムにおいてオリゴ核酸の吸着を防ぐ可能性。2)ナトリウムイオン;オリゴ核酸の保持力を弱め、二次構造を安定化させる可能性。我々のデータから、オリゴ核酸の分離向上はリン酸イオンの効果によるものではなく、ナトリウムイオンの存在に起因することが示唆された。同様の効果は、カリウムイオンによっても観察された。これらの知見を応用することで、HFIPを用いることなく、5’切断生成物やホスホジエステル(PO)不純物などから100塩基のsgRNAを分離可能な新規分離法を確立した。本分離法は、sgRNA医薬品の製造プロセスにおけるコスト削減と環境負荷の軽減に寄与する。 

株式会社日本触媒 馬場 武
学 会 名日本核酸医薬学会 第11回年会
会 期2026 年7月7日(火)~ 7月9日(木)
会 場出島メッセ長崎
公式サイトhttps://www.natsj.jp/2026/natsj11